矯正治療を行う際には、まず顎関節を安定させることが重要です。そのために使用するのが、「CRスプリント」というマウスピース型の装置です。
このスプリントを装着することで、顎を支える筋肉の異常な緊張を緩和し、顎関節内の関節頭を最適な位置に誘導します。また、歯ぎしりや食いしばりといった悪習慣の改善にもつながります。
矯正治療を成功させるためには、まず顎関節を安定させ、正しい顎位を確立することが必要です。
顎関節が不安定なまま矯正を始めると、本来のかみ合わせの位置を見誤る可能性があり、治療計画の失敗や矯正後に後戻りが生じやすくなるリスクがあります。
これを防ぐために、スプリント治療を用いて顎関節を安定させることが重要です。
スプリント治療では、調整されたスプリントを装着しながら日常生活を送ります。成人の場合、長年の噛み合わせによるダメージを受けた顎関節を安定化させるために6ヶ月~1年ほどの期間が必要になることがあります。
スプリントには歯を直接動かす作用はなく、治療の過程でかみ合わせが変化していくのは、歯の移動ではなく顎関節の位置の変化によるものです。
また、筋肉の緊張が緩和されることで、歯ぎしりや食いしばりといった悪習慣の改善につながり、顔貌の変化や頭痛、肩こりといった症状の改善も期待できます。